私は趣味で、自転車で長い道のりを走るのですが、
終わりが見えない長い道のりを走っているときは、
子どもの頃に見たミヒャエル・エンデ作の「モモ」の中の言葉を思い出します。

 

「モモ」のあらすじはこのようなものです。
郊外の小さな町が舞台でして、
住民は皆毎日ゆっくりと楽しく暮らしていく中で、
突然「灰色の男」が現れ、住民に対して、
いかに時間を無駄にして過ごしているかを、とうとうと語り、
ついには住民達は時間の効率ばかりを気にして過ごすようになってしまいました。

 

「灰色の男」とは「時間泥棒」と呼ばれ、
人々から余裕の時間を盗む者で、
小さな女の子「モモ」が住民を時間泥棒から解放する、
というお話です。

 

物語の中で、モモが隣人のおじいさんから勉強を習う風景があります。
とてもたくさんのことを勉強するのだと思い、
モモはおじいさんに問いかけました。

 

「勉強はいつまでするの?」

するとおじいさんは、ちょっと困った顔をして、こう返事をしました。

「君の前に長い道がある。」

「早くゴールをしたいと思って、ゴールばかりを見つめて、
急いで進めば、とても疲れる。少しも楽しくないだろう。」

「でも、目の前の一歩だけを見つめて、
一歩また一歩だけを考えれば、いつの間にかゴールに着いている。
疲れないし、楽しかったと思うかも知れない。」

 

自転車の話に戻りますが、
サイクリングをしているとついつい結果ばかりにこだわってしまう時があります。どのくらいの距離を走ったとか、どれだけの速さで走ったとか。

ですが、結果だけにこだわっていると、
自転車そのものがつまらないと感じている自分もいます。

もともとは、季節や天気や時間帯によって
移り変わっていく景色を楽しむために始めた自転車のはずでしたが、
いつの間にか結果にこだわるようになっていたのです。

 

勉強やスポーツも初めは楽しんでいたものでも、
いつしか結果にこだわって、楽しさを忘れてしまうことが、
往々としてあるのかも知れません。

 

結果を求めて頑張ることも時には大事ですが、
結果だけにこだわらないようにして、
できれば今を楽しむことも、大事なのだと思います。