「生命倫理の発展と深化」| 練馬の学習塾
上智大学で開催された、日本生命倫理学会15回年次大会「生命倫理の発展と深化」に参加。
はじめに、学生時代の恩師(元学長)、ヨゼフ・ピタウ先生の基調講演がありました。
この度、日本に帰国して、日本生命倫理学会第15回年次大会に参加し、皆様と生命倫理の問題を議論する機会を与えられたことは、大変大きなよろこびです。今回私に与えられたテーマは、「キリスト教における『人間の尊厳』について」でしたが、本日は、現在のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の「人間の尊厳と平和」についての見解を中心に、お話しさせていただきたいと思います。
ヨハネ・パウロ2世は、教皇職にあったこの25年間、人間の尊厳の尊重を基本的人権の擁護と結びつけ、その最高の価値を説き続けてきました。ローマ法は、「すべての法は人間のためにある」ことを明記していました。法は国家のためにあるのではなく、人間のためにあります。同じように、科学も人間のためのものです。法、国家、あるいは科学に、ひとりひおりの人間以上の価値を認めるとき、悲劇が起こります。いつの日も人類共通の願いである平和は、人間の尊厳の承認の上に、はじめて実現しうるのです。
しかし、平和は、単なる理想主義、平和主義にとどまってはなりません。平和の実現は、責任の負担やリスクを伴います。複雑な現実の状況の中で具体的な対応を考えることは、非常に困難な政治的作業ですが、ヨハネ・パウロ2世は、人間の尊厳と平和の原則を提示しただけでなく、それを現実に適用する道をも探索し続けてきました。Joseph Pitau(基調講演リーフレットより)
先生はこのためにわざわざ来日されたそうです。
[11/15]
基調講演
- 「キリスト教における『人間の尊厳』について」ヨゼフ・ピタウ(ローマ教皇庁)
シンポジウムI
- 「いのちを考える―宗教という視座から―」藤井正雄
ワークショップ
- 「社会福祉と生命倫理」
- 「人体組織の利用と生命倫理基本法」
- 「小児医療領域における意思決定と代理判断」
- 「医療情報におけるIT利用と情報倫理」
[11/16]
特別講演
- 「21世紀の医療を考える」高久史麿
シンポジウムII
- 「科学技術の進歩と社会との調和―再生医療と生命倫理―」位田隆一
ワークショップ
- 「重症新生児の医療の差し控えと中止」
- 「生殖補助医療技術の法制化後の課題」
- 「開発途上国への医療協力」
- 「医療専門職、医療関連職、および同領域学生に対する生命倫理学教育」
[当日購入した本]
- 『イエズス会―世界宗教の旅』フィリップ・レクリヴァン著、鈴木宣明監修。創元社。1996年。
- 『生命あるすべてのものに』マザー・テレサ。講談社現代新書。1982年。
- 『マザー・テレサ 愛のことば』いもとようこ(絵)。女子パウロ会。1998年。
- 『マザー・テレサ 日々のことば』ジャヤ・チャリハ&エドワード・レ・ジョリー(編)いなますみかこ(訳)女子パウロ会。2000年。
- 『わたしはマザー・テレサに会った―20人が語るマザー・テレサのすがた』女子パウロ会(編)。女子パウロ会。2001年。
- 『愛 ―マザー・テレサ 日本人へのメッセージ』三保元(訳)女子パウロ会(編)女子パウロ会。2003年。
- 『ローマの街角から』塩野七生。新潮社。2000年。