ノーベル物理学賞に赤崎・天野・中村氏 青色LED発

 日本のノーベル賞受賞は12年の生理学・医学賞の山中伸弥・京都大教授から2年ぶり。計22人となる。物理学賞は素粒子研究の08年の南部陽一郎(米国籍)、小林誠、益川敏英の3氏以来で計10人となった。日本の物理学の高い実力を示した。

 授賞理由は「明るくエネルギー消費の少ない白色光源を可能にした高効率な青色LEDの発明」。「20世紀は白熱灯が照らし、21世紀はLEDが照らす」と記した。

 LEDは1960年代に赤色が開発された。その後、緑色も実現した。しかし青色は開発が遅れた。あらゆる色の光を作り出せる「光の3原色」がそろわず、「20世紀中の実現は不可能」とまでいわれていた。

 その壁を破ったのが赤崎氏と天野氏だ。品質のよい青色LEDの材料を作るのが難しく、オランダのフィリップスや赤崎氏が在籍していたパナソニックなど各社が実現をあきらめて研究から撤退するなか、材料の構造に工夫し、明るい青色を放つことに成功した。赤崎氏は7日の記者会見で「半分サプライズで、こんな名誉なことはないと思っている」と語った。

赤崎、天野、中村の各氏の物理学賞受賞を伝えるノーベル財団のホームページ  中村氏はこれらの成果を発展させ、安定して長期間光を出す青色LEDの材料開発に乗り出した。原料ガスを2方向から流して結晶を作る独自の方法で製造装置を作り、青色LED素子の作製に成功した。量産化に道を開き、当時在籍していた日亜化学工業(徳島県阿南市)が93年に青色LEDを製品化した。中村氏は7日、スウェーデン王立科学アカデミーが開いた会見で「信じられない。ありがとう」と電話を通じ喜びを語った。

 日本の強みである材料技術が、LEDの光の3原色をそろえることに大きく貢献し、LEDによるフルカラー表示が可能になった。電気を直接光に変えるLEDは、エネルギーの損失が極めて少ない。小さな半導体素子そのものが光るので電子機器の小型化や軽量化につながる。薄くて省エネの大型フルカラーディスプレーなどデジタル時代の幕開けにつながった。

 3原色を混ぜ、太陽の光のような自然光に近い白色光も再現できるようになった。省エネで鮮やかな照明として、家庭にも浸透し始めている。現在、産業社会で消費するエネルギーの20~30%は白熱灯や蛍光灯などの照明が占めているといわれ、これらがLED照明に置き換われば、省エネに大きく貢献できる。地球温暖化を防ぐ切り札のひとつになる。

 青色の光は波長が短く、デジタルデータの書き込みに使えば大容量にできる。中村氏は青色LEDの後に青色レーザーの基盤技術を開発した。ブルーレイ・ディスクのデータの書き込みに青色レーザーが使われているように、大容量の光ディスク実現につながった。

 授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金800万クローナ(約1億2000万円)は3氏で分ける。(産経新聞)

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