「奇跡のリンゴ」木村さんの畑を“コピー”/弘前大教授が無農薬・無施肥栽培に成功

Web東奥 10月3日(金)13時24分配信

「奇跡のリンゴ」木村さんの畑を“コピー”/弘前大教授が無農薬・無施肥栽培に成功

 弘前大学農業生命科学部の杉山修一教授(59)は今年、リンゴの無農薬・無施肥栽培に初めて挑戦し成功した。弘前市百沢で無農薬・無施肥栽培を続け「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則さん(64)のリンゴ園に隣接する畑を借り、木村さんから土を譲り受けて栽培。葉が褐斑病で枯れ落ちた木があるものの果実の味はよく、10~11月にかけて収穫できる見通しとなった。

 杉山教授は木村さんと10年余りの親交があり、他の農家から借りた畑は木村さんの畑から8メートルほどの隣接地。樹齢約20年の早生(わせ)ふじと約30年のふじが計27本植えてある。病害虫防除のため農薬は使用されていたが、13年ほど前から無施肥栽培だった。

 木村さんからもらった土を木の周りに埋め、下草を植えて伸び放題にした。杉山教授によると「木村さんの畑のコピーをつくった」状態。無農薬・無施肥の土は多様な微生物がすみ着いており、下草にも多くの虫が集まりやすくなる。多様な生物が競争し合い、バランスを取りながら生きていることで、特定の作物を狙う微生物や病害虫が爆発的に増えるのを抑えられるという。

 褐斑病にかかった木は8月から9月にかけて葉が枯れ、葉がほとんどなくなったものもあった。リンゴは無事に実ったものの、通常の栽培に比べて重量は15%程度軽い。半面、着色や味は良好に仕上がった。
 木村さんは「自分の場合、夏前に葉が落ちて味のないリンゴができたり、花が咲かなかったりして、まともに栽培できるようになるまで何年もかかった。1年目でまともなリンゴができたのはすごい」と評価。杉山教授は「もらった土や木村さんの畑に隣接する環境などが良かったと思う。どんな微生物・生物がどう作用し合ったのかを今後、検証し、本県農家に技術を広められれば」と話している。
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東奥日報社